電車旅

ふらっと電車で乗ったことのない路線の終点まで行った。
のどかな田舎町で、駅前の案内から、人のあまりいない森林の散歩コースを歩いた。
この季節の日向はしばらく歩くとまだ暑く、汗でびっしょりになった。
しかし、日陰はひんやりとして心地よかった。
その心地よさにとても穏やかな気持になり、かえって少し暑いのがそれはそれで良かった。
一山登ったところで、向かいの丘が気になったので、一旦降りてからそちらへ歩いた。
登ってみると城の跡だということが分かった。
特に城に関する物は何もないが。
そして、向かっているときから薄々感じていたが、登ってみると誰もいない。
ずっと周りに誰もいない。
荒涼とした空き地から更に階段を登ると、静かにひっそりと木で囲まれた芝生の広場があり、
その先にちょっとした展望台があった。でも誰もいない。
周辺を一望できる景色を私は独り占めしていた。
非常にリラックスした時間を過ごした。
またどこか知らない街へ出掛けたい。