Eingya / Helios

saihatenet2006-06-10

今は無き(もうすぐ無くなる?)Merckからの1stが素晴らしかった
Keith KennifさんによるHelios
Goldmundという名義でピアノアルバムを出し、
Julian Netoさんのアルバムにも参加したTypeより、2年振りとなる2nd。
生演奏だけでも表現できそうなほどに楽器の演奏が前面に出ていて、
曲によって打ち込みなビート以外はエレクトロな要素は味付け程度。
クリアなギターや素朴で心温まるアコースティックギター
レトロ感のあるサンプル、揺らめくフィードバックノイズ、
そしてもちろん繊細なピアノや浮遊感のあるキーボードも健在。
前作"Unomia"収録の"Velius"は、私の中で完璧なほどに特別好きな曲なので、
それを超える曲というのはさすがになかったのだが、
全体を通せば今作の方が完成度は高い。
ピアノが印象的な6曲目"Coast Off"と7曲目"Paper Tiger"が並んでベストトラック。
"Velius"に近いものがある。
小休止のあとのドラム入りかたと、目の前の景色が広がっていくような情景に胸が熱くなる。
Keithさんは今作製作中にバークリー音楽院を卒業したとのこと。
高い表現力が作り出すセンチメンタルな世界観。
所謂エレクトロニカといわれるものにすっかり興味を無くしてしまったが、
素晴らしいものはどんなジャンルに括られようといつまでも素晴らしい。